クラフトビールの次は…世界的ブーム!クラフトジン

 クラフトビールに続き、お酒好きの間で話題となっているのが、クラフトジン。国産のジンが各地で開発され、個性的な味を楽しむ人がじわじわと増加中。和歌山県からも、世界で注目を集めるジンが登場しています。

始まりはロンドン 日本各地でもブームのきざし

2000年ごろに始まった、クラフトビールブーム。全国各地にブリュワリーが誕生し、多彩な地ビールが作られ、現在も多くの人に親しまれています。そんなビールに引き続き、ブームが起きているのが、小規模な醸造所で作られる、個性的な味わいの「クラフトジン」です。

2017年に和歌山で初めてとなるクラフトジン「槙KOZUE」を発売し、話題になった「中野BC」(海南市藤白)の西日本地区営業課長・西浦啓木さん、営業部営業企画課の小川真生さんに、話を聞きました。クラフトジン流行のきっかけは、2009年、ロンドンで約200年ぶりにジンの蒸留免許を取得した「シップスミス」の設立。若い蒸留所の誕生を機に、再注目されたジンは、イギリスで大人気となり、世界へとブームが広がりました。

KOZUEの魅力や開発秘話などを紹介。また、日本バーテンダー協会和歌山県本部長であり、BarTENDER(バー・テンダー、和歌山市楠右衛門小路)のマスターでもある平野祐さんに、ジンのカクテルについて教えてもらいました。さらに、平野さんを講師に迎え、リビング読者の“大人女子”に向けた「飲み会」を企画しました。

ジンってどんなお酒?

スパイスとして売られているジュニパーベリー。セイヨウネズとも呼ばれます

ジンは大麦やじゃがいも、ライ麦などを原料とした蒸留酒。香り付けとして、深い森を思わせるような、さわやかな香りが特徴のジュニパーペリーが使われます。小規模な蒸留所で作られるオリジナリティーの強いジンを「クラフトジン」と呼びます。

世界へ広がっていく和製ジン

和歌山初のクラフトジン SAKEメンによる開発の裏側

中野BC・西日本地区営業課長・西浦啓木さん(写真右)、営業部営業企画課・小川真生さん(写真左)

クラフトジンの世界的ブームが起こっている中で、京都をはじめ、日本でも小規模生産でのジンが作られるようになってきました。和歌山では、2017年に中野BCの富士白蒸留所がクラフトジン「槙KOZUE」を発売。県内外で話題を呼んでいます。

「槙ーKOZUEー」2916円(700ml、化粧箱入り3780円)

同社は、梅酒など数々のヒット商品を手掛ける、若手女性社員を中心とした商品開発チーム「なでしこ」に対して、男性社員だけの開発チーム「SAKEメン」を発足。「チームが立ち上げられた当初、男性向けの“ハードリカー”を作りたいと考えていました。アイデアを出していく中で、和歌山県民である私たちが慣れ親しんだボタニカル・コウヤマキを使って何か作ってみようということに」と西浦さんは話します。桜餅のような独特の香りがある「ズブロッカ」(バイソングラスをウオッカに漬け込み作る酒)のイメージで、試験的にコウヤマキを焼酎に漬け込んだといいます。実験の中で、コウヤマキ自体の香りが、ジンの香りに似ていることを発見。コウヤマキに含まれる成分を調べると、香りの正体は「α‐ピネン」という芳香成分だということが分かりました。これは、ジンの主な材料である「ジュニパーベリー(セイヨウネズ)」に含まれる物と同じ。「そこで舵を切り、13~14年ごろ、コウヤマキを使ってジンを作ることにしたんです」。しかし、コウヤマキを使ってアロマオイルや歯磨き粉を作った実績はあったものの、食用として使用するのは初めてのこと。安全性が認められるまでの苦労があったのだとか。

素材として使われたのは、ジンの香りのベースとなるジュニパーベリーに加え、コウヤマキ、山椒(さんしょう)の種、レモン皮、温州みかん皮など和歌山県産の材料。山椒の種でキレを出し、コウヤマキのウッディな香りと、柑橘(かんきつ)類のさわやかさで、高野山の景色を思い起こさせるような味わいに仕上げられています。アルコール度数が47度と高めのKOZUEは、ジントニックなど、シンプルなカクテルにすると個性的な味わいがよく分かります。ジンと炭酸水が1対1の割り合いがおすすめだそう。

その独特の味わいが認められ、同商品は2018年「第8回リヨン・インターナショナルコンクール」のスピリッツ部門で金賞を受賞。国産のジンが受賞したのは、日本で初めてのことだといいます。また、今年イギリスで開催された「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)」でも、金賞を受賞しました。「“和製ジン”が世界で認められて、本当にうれしいです」と小川さん。

富士白蒸留所は、KOZUEに続いて、梅酒の原液を蒸留したスピリッツ「香雪KAYUKI」(18年11月発売)、スギとヒノキを使ったジン「香立KODACHI」(19年7月発売)を開発。和歌山の素材とイメージにこだわり、新しいスピリッツを探求し続けています。

「開発チーム・SAKEメンのテーマの1つが、“和歌山を蒸留しよう”。KOZUEが高野山のイメージだとすれば、KODACHIは熊野のイメージです。地元産の素材を使って新たな商品を生み出しながら、富士白蒸留所をもっと磨いていきたい」と西浦さん。イタリアをはじめとしたヨーロッパにも出荷しているという同社のクラフトジン。今後も、世界に“和歌山の味”が広がっていくのが楽しみですね。

中野BCクラフトスピリッツ

香雪ーKAYUKIー
南高梅を使用したスピリッツ。ギュッと凝縮された梅の華やかな香りと、ソフトな味わいが魅力。第9回リヨン・インターナショナルコンクールのスピリッツ部門で金賞、IWSC2019フルーツスピリッツ部門銀賞受賞。3780円(700ml、化粧箱入り4644円)。

 

香立ーKODACHIー
熊野をイメージし、スギ、ヒノキのボタニカルに、ジュニパーベリー、山椒の種、レモン皮、温州みかん皮を使ったジン。優雅な香りで、やわらかな味わいが楽しめます。飲みやすく、さまざまなカクテルにしても楽しめます。2916円(700ml、化粧箱入り3780円)。

ジントニック

「ジントニックがおいしいバーは、他のカクテルもおいしい」といわれている、目安のような存在。ジンにライムジュース、トニックウオーターを加えた、甘酸っぱさが魅力。

 

KOZUEジュレップ

KOZUEを使った平野さんオリジナル・ジュレップ。相性抜群のシソの葉を加え、さわやかな香りと味わい、キラキラした見た目も楽しめます。ローズマリーやレモンバーム、ミントなど、家庭にあるハーブを使っても。

 

ジンの歴史とおもしろさ

ジンの発祥は17世紀ごろのオランダ。はじめは熱病の治療薬として発明されたといわれています。その後、ヨーロッパを中心にお酒として親しまれるように。

現代、ブームになっているクラフトジンは、各地でさまざまなボタニカル(植物成分)が使われ、個性的な味わいが生み出されるのが面白いところ。カレーでいうスパイスの調合と似ています。いろいろと試して、自分好みのものを見つけてみて。


平野祐さん
Bar TENDER(和歌山市楠右衛門小路)のマスターであり、日本バーテンダー協会和歌山県本部長。お酒に関する知識量、技術はもちろん、“おもてなし力”もピカイチ!

 JAわかやまの「生姜丸しぼり和歌山ジンジャーエール」と、「スミノフウォッカ」を組み合わせた「和歌山モスコミュール」のレシピを、日本バーテンダー協会和歌山支部が考案しました。ウオッカ45ml、ライムジュース15ml、生姜丸しぼり和歌山ジンジャーエールが適量加えられた、さわやかな逸品。ジンと並び、世界4大スピリッツの一つ・ウオッカをベースにしたカクテル・モスコミュール。モスコ=モスクワ、ミュール=ラバまたはロバという意味。まだグラスがない時代、銅製のマグを使って飲まれていたそうですよ。

 お酒好きの大人女子集合! 気軽にお酒を楽しめる飲み友達を作りませんか? おしゃれなレストランで、プロバーテンダー・平野祐さんによるカクテルが味わえます。カクテルに関するプチ講座もあり。“おひとりさま”だけじゃなく、夫婦や友だち同士での参加ももちろんOK。普段勇気がなくてバーに入れないという人も、この機会にカクテルデビューしてみるチャンスです。

日時 11月21日(木) 午後3時~4時半
場所 ダイワロイネットホテル和歌山 レストラン「サンクシェール」(和歌山七番丁)
講師 平野祐さん

詳しくは、電子書籍7面Working Life(ワーキング・ライフ)」のページへ!

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