プロが回答「空き家の悩みQ&A」②
管理や維持費が負担…
空き家を処分するには?

長期間売却できない場合は無償譲渡も

 空き家を相続したものの、住む予定がなく、維持管理費がかさむばか
り。和歌山県宅地建物取引業協会が指南する「空き家の悩みQ&A」の2回目は、広報啓発委員長の武田雅博さんが「空き家の処分」を解説します。

「空き家の処分には、家付きで売却するか、更地にして売却するかの選択肢があります」と武田さん。家の売却は、不動産事業者を通して売り出すのが一般的。「『築年数が浅い』『市街地にある』など建物の状態や立地条件が良ければ、中古一戸建て物件として比較的売却しやすいでしょう」。事業者が直接買い取り、リフォームや解体をして再販するケースもあります。「その場合、仲介売却より時間をかけずに売買が成立することもありますが、売却価格は安くなります」。自然が豊かな場所に農地付き空き家を所有していたら、「空き家バンク」に登録しておくと、運営する自治体によって、田舎暮らしを求める移住者に紹介してもらえます。

家の劣化が進んでいたら、解体して更地にした方が売りやすい場合もありますが、解体費用が高額になることもあるため、売却を見込めてから引き渡し前に解体することも。「空き家の撤去費用の補助制度を設けている自治体もあるので確認を」とも。

「空き家でも空き地でも、買い手が長期間見つからず、固定資産税などの維持費や家の管理に負担を感じるなら、無償譲渡を考えてみても」と武田さん。隣家など周辺地権者や、知人、不動産事業者などから、贈与者を探します。「無償とはいえ、譲渡の契約書の作成など一部の手続きにコストが発生します。不動産事業者などの専門家を介する方が売買トラブルを回避できます」

「空き家は劣化の進みが速く、近隣に悪影響も及ぼします。自治体から特定空き家に指定されると、税の優遇を受けられなくなることも」と武田さん。「和歌山県宅建協会は空き家相談を無料で行い、宅地建物取引士や司法書士、建築士など住まいの専門家が連携してアドバイスしています」とも話していました。

武田雅博さん

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不動産に関する相談は宅建協会まで

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