自然保護教育の実践者
青柳昌宏さんの展示「Study Nature!」
11月2日(木)まで、県立図書館で実施中

和歌山の自然に感化された生物学者

青柳昌宏さん

青柳昌宏さん。ニュージーランド南極地域観測隊でペンギンを調査(1978年)

 和歌山県にゆかりの深い教育者、青柳昌宏さん(1934~98年)の展示「Study Nature! 和歌山を愛したナチュラリスト青柳昌宏の軌跡」が、和歌山県立図書館(和歌山市西高松)で行われています。

青柳さんは国内で初めてペンギンの生態研究に本格的に携わり、また、日本自然保護協会の自然観察指導員制度を創設するなど、現代の自然保護教育にもつながる先駆的な研究や活動に注力。青柳さんの長女・内田啓子(あきこ)さんは、「父が十代や教員時代を過ごした和歌山で、父の業績を紹介し、若い世代にも伝えられたら」と、今回の展示を企画しました。

東京生まれの青柳さんは、国民学校4年生のときに粉河町(現紀の川市)に縁故疎開し、高校まで過ごします。東京教育大学卒業後、「自然の中で実践的な生物学を教えたい」と和歌山に戻り、県立粉河高校、和歌山市立西浜中学校の講師を経て、61年に県立那賀高校の教諭に着任。生物クラブの顧問を務め、66年に日本学生科学賞優秀指導教員に表彰、68年に第1回県教育賞を受賞します。

展示には、青柳さんの生涯や業績をまとめたパネル、研究道具、自筆のスケッチ原稿、関連書籍が置かれています。展示初日には出品資料を提供した内田さんによる解説も行われました。自身も小学2年生まで粉河町で暮らし、「私にとっても和歌山は大切なふるさと」と、話す内田さん。「父の研究の原点でもある和歌山で暮らす方たちに、こういう人がいたことを知っていただければ」とも。

来場者の一人、大阪府の松島佳世さんは、「ペンギンの書籍で青柳さんのファンに。今日は貴重な話を聞けてよかったです」と話していました。

展示は図書館閲覧室とエントランスホールで、11月2日(木)まで(入場無料)。

卒業論文のために描いたち密なスケッチ画。「ドクガ幼虫」(1956年)

内田さんによる展示解説。当日は青柳さんの教諭時代の教え子も来場していました

内田さんによる展示解説。当日は青柳さんの教諭時代の教え子も来場していました

お問い合わせ和歌山県立図書館(月曜休館)
073(436)9500

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